観客からの意見も多く出た、八月踊りのこれからを語るトークセッション
奄美文化センター開館30周年記念奄美市自主文化事業「踊り舞!語り舞!ガジユータシンポジウム2017」(奄美市・奄美市教委主催)が12日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。同イベントは創作舞踊劇「ガジユータ」のダイジェスト版とパフォーマンスの披露があった「踊り舞」と、八月踊の現状と継承していく方法をトークセッション形式で模索する「語り舞」の二部構成で行われた。
「ガジユータ」は「鹿児島文化維新プロジェクトACT」の一環として3月に同会場で上演された創作舞踊劇。振り付けや演出は元シルクドソレイユソロダンサーで奄美市地域おこし協力隊の谷よう子さん。奄美の自然、生き物、歴史、民話などをモチーフにしている。
「踊り舞」では、舞台上に客席が設置され、訪れた観客は演者のづかいや足音など、通常の観劇では感じることができない迫力に息を飲んだ。前回公演の映像が映し出される前で、ダンサーや唄者がパフォーマンスを披露する珍しい形式。1時間に短縮されたダイジェスト版だったものの、終演時に会場は拍手で包まれた。
「語り舞」では谷さんのほかに、住用町見里集落で八月踊りの保存継承活動を行う師玉敏司さん、唄者としてガジユータにも参加した前山真吾さん、あまみエフエムディ!ウェイブ!の麓憲吾代表ら6人が登壇。「『八月踊り』のこれから~踊り継ぐこと」と題し、それぞれの集落での八月踊りの現状と、保存継承していくのに必要なことなどを語った。
師玉さんは「見里集落ではこの2、3年で若い世代が八月踊りに参加することが増えてきた」と報告。麓代表は「思いさえあれば形が変容しても良いのではないか。思いを学ぶことが大切」と話した。
参加者からも「統一した八月踊りを作ればよいのでは」、「観光客などが見物できるように八月踊りが見られる場所をラジオなどで紹介する」などの意見が出た。また龍郷町から参加した女性は「八月踊りの伝承を目的に、龍郷町では集落ごとに映像を残している。手広地区では映像に歌詞のテロップを付けることで唄も覚えられるようにしている途中だ」と取り組みを紹介した。