「泥染め通して紬を知って」

服や手足が汚れても真剣にミニタオルを染める子どもたち

子ども達参加 夏休み体験教室

 大島紬産地再生協議会(事務局紬協組)は15日、奄美市名瀬伊津部勝の泥染公園で「夏休み泥染め体験教室」を行った。参加した子どもたちは泥田に入り、服や体が汚れても、楽しみながらミニタオルをそれぞれのデザインに染めた。

 同教室は同協議会が毎月15日に定めている「すきすき紬デー」の企画の一環。子どもたちに大島紬を作る工程の一つである泥染めの一部を体験し、身近に感じてもらうことが目的。

 この日は子どもたちと保護者約40人が参加。本来、泥染めはシャリンバイ(テーチギ)のチップを煮出した液を用いるが、今回はメヒルギのチップを使用。樹木に含まれるタンニン酸が泥田の泥と化学反応を起こし、徐々に色がつく様子を子どもたちは楽しんだ。また泥田にはイモリやコイなどの生物が生息しており、泥染めだけでなく、自然とのふれあいにも満足げな表情を見せた。

 朝日小1年生の亀山隆弘君(6)は母純恵さんと参加。隆弘君は「楽しかったけど、とても疲れた。100点満点の出来映え。染まったミニタオルは手を拭くのに使いたい」と語った。

 同施設の野崎松夫伝統工芸士は「泥染めは紬の織りなどとは違って、技術がなくても自由にデザインして楽しむことができる。奄美に生まれ、奄美で育つ子どもたちには、泥染めを通して大島紬について少しでも知ってほしい」と話した。