世界自然遺産へ外来種駆除も

人海戦術で要注意外来種「アメリカハマグルマ」の駆除作業に汗を流した参加者たち=20日午前8時半ごろ、徳之島町

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河川域の美化活動も併せて展開した=20日午前9時ごろ、天城町

全島一斉ボラ清掃に約650人

徳之島

 【徳之島】「奄美大島、徳之島、沖縄北部及び西表島」世界自然遺産登録に向けて今秋にも行われる世界自然保護連合(IUCN)の現地調査を前に20日午前、徳之島で「全島一斉ボランティア清掃」があった。官民合わせ約650人が呼応。島の生物多様性に深刻な影響を及ぼす外来種植物の抜き取り駆除にも協力。世界自然遺産の島にふさわしい住民意識の向上にも期待を寄せた。

 世界自然遺産登録に向け「外来種対策やゴミ問題は徳之島の重要課題」―。徳之島3町をはじめ環境省徳之島自然保護官事務所、県、徳之島自然保護協議会、建設業協会、NPO法人徳之島虹の会など計9団体が主催。各種団体計20組織が後援。各町月1回のクリーン作戦とも併せ初めて計画。外来種の繁茂ポイントなど実施区域を特別に設定。午前7時半~同9時半ごろまで繰り広げた。

 この日駆除対象とした外来植物は、園芸種の逸脱繁茂で要注意外来植物と化した「アメリカハマグルマ」(キク目・キク亜科)、台湾原産の帰化植物「タカサゴユリ」(ユリ科)、観賞用の遺棄が原因とみられる伊仙町喜念浜などに繁茂した「ポトス」(サトイモ科)と海岸砂丘部に勢力を広げている防風・防潮林用「モクマオウ」(モクマオウ科)の苗木―などが中心。

 町別では徳之島町約360人、天城町約170人、伊仙町約120人が参加して人海戦術で汗を流し合った。天城町「三京川」などでは建設業協会関係者がユニック車(クレーン付きトラック)などを駆使し、抜き取った外来植物などゴミの回収に機動力を発揮した。

 職場ぐるみで参加した県徳之島事務所総務課の山口大介主査(40)は「世界自然遺産登録に向けてこの種の作業が継続できれば素晴らしい。住民の皆さんも高い意識を持って参加され、我々も協力していきたい」。徳之島自然保護協議会の松村博光会長(70)は「一般住民の方々の参加が少ないのは明らか。世界自然遺産登録に向けた取り組みは徳之島全体の事。こうした活動が常時取り組めればと思う」と話した。