倒壊した家屋から負傷者を救出する消防隊員ら(訓練)=和泊町=
和泊町総合防災訓練
激しい雨の中、関係機関連携図る
【沖永良部】和泊町総合防災訓練が9日、同町民運動広場であった。激しい雨の中、警察や自衛隊、消防が連携を取り、負傷者の救出・搬送訓練を行った。
同町は、1977年9月9日に襲来した「沖永良部台風」で、当時の世帯数2686世帯のうち80%にあたる2113世帯が被害を受け、住民約100人が負傷、被害総額は90億円あまりに上った。この台風による大災害を教訓にしようと、79年3月に同町防災条例を制定し、9月9日を「和泊町防災の日」に定めた。
訓練は午前11時開始。奄美群島太平洋沖(南部)を震源とする震度7の地震が発生したとの想定で行われた。
自衛隊と沖永良部警察署救出救助部隊「チュラインガ隊」、広域事務組合消防本部が連携しながら、倒壊した家屋に閉じ込められた住民2人を救出し、出動要請を受けた県警ヘリで搬送した。
伊地知実利町長は「沖永良部台風の時は、現在のような機材はなく苦労したことを覚えている。訓練と同時に、どのような災害が発生しても対応できるよう住民への啓発も行っていきたい」と話した。
午後5時からは、同町喜美留集落で地震発生を想定した避難訓練も行われた。