「千年松」松枯れ進行

奄美市の保存樹第1号に指定されている「朝仁の千年松」、松枯れが目立ってきている(撮影者=西康範さん)

奄美市指定保存樹 線虫侵入の有無調査へ

 

 奄美市が保存樹に指定しているリュウキュウマツ「朝仁の千年松」(愛称)=同市名瀬朝仁新町=は数年前に、葉が赤くなる松枯れが確認され、市では枯れの拡大防止に努めてきている。松枯れは、少雨による乾燥のほか、線虫・マツノザイセンチュウが樹体内に侵入して引き起こされる現象。このほど、千年松を含め、周りの木にも松枯れが目立ってきたことから、市では、一部伐採した千年松の枝木をサンプルにセンチュウの侵入有無を調査し、必要に応じた対策を取る方針だ。

 保存樹は、市民の環境を守る条例に基づき指定される。1978年に、千年松は第1号の指定を受けた。市環境対策課によると、2013年夏ごろに千年松に松枯れが目立ちはじめ、樹幹への薬剤注入を実施。以降、木への負担も考慮し、年に3度ほど散布を行い、拡大防止に努めてきた。

 千年松の周辺での松枯れも見られたことから、今年度は5回の散布を予定。4月にも実施したところだという。また、枯れた枝木を一部伐採し、線虫の樹体内への侵入を調べ、必要に応じて樹幹への薬剤注入などの対策を立てるとしている。

 同課担当者は「松枯れは一気に進まず、徐々に進行する。調査結果次第で、しっかり対策を取りたい」と話した。

 「朝仁の千年松」は、同市朝仁新町の千年松公園内にあり、樹齢は400年とされている。