県立大島病院で大規模災害訓練

トリアージで区分された患者役がロビーで処置を受けた

群島全体での連携必要

 

ドクターヘリ就航後初めて

 

 奄美市名瀬の県立大島病院(眞田純一院長)は14日、2017年度大規模災害訓練を行った。同病院の医師や看護師、大島地区消防組合の救急救命士などが参加。傷病者55人の災害時を想定し、災害対策本部の設置や、院内でのトリアージ、傷病者の処置や治療などを訓練した。

 同訓練は「救急の日」に関連して毎年9月に実施されている。奄美群島の災害拠点病院として傷病者の受け入れや、他医療機関などとの連携を積極的に行い、災害時でも医療を円滑に提供することが目的。この日は奄美大島近海を震源とした震度7の地震を想定。患者役は奄美高校の生徒と、奄美看護福祉専門学校の学生が担った。

 次々と訪れる患者を、症状ごとに色分けするトリアージの作業では救急隊や医師らが迅速に対応。症状の重さによって患者を分け、ストレッチャーや車いすで同病院ロビーに運び、いすを並べて作った簡易のベッドで処置を行った。

 同病院救命救急センターの服部淳一センター長は訓練を振り返り、「個人個人が自分の動きを把握できている姿を見て長年訓練を続けてきた成果を感じた。今後は訓練をもっと実際の災害時の状況に近づけたものにしていかなければいけない。昨年末にドクターヘリが就航したこともあり、対応する範囲も広がった。群島全体の関係機関と協力、情報共有をしながらの訓練が必要だと感じる」と話した。