離島の特別支援教育に前進

三反園知事にお礼のビデオレターを紹介する原田事務局長(右)

喜界高校に支援教室 お礼のビデオレター披露

 

さとうきびの会が知事ら訪問

 

 【鹿児島】来年4月、喜界高校に特別支援学校高等部支援教室が設置されることを受けて、請願運動を続けてきた「さとうきびの会」の原田彰事務局長らが21日、鹿児島市の県庁を訪れ三反園訓知事らにお礼を述べた。

 これまで喜界島には高校の特別支援教室がなく、進学を希望する中学生は大島養護学校、もしくは本土の特別支援学校に進んで、島を離れるしかなかった。このため2015年12月に特別支援教室に通う小中学生の保護者や教員らが「さとうきびの会」を結成し、喜界町議会や県議会への請願、署名活動などを続けてきた。署名は奄美群島全域を中心に3万人以上集まったという。14日の9月定例県議会所信表明で三反園知事が、来年4月から喜界島と屋久島の支援教室設置を明言した。

 原田事務局長は、設置に向けて協力してきた永井章義、禧久伸一郎、向井俊夫、林健二、奄美出身の4県議と三反園知事を訪ねた。中学生や保護者らが「新しい教室に通えるようになることを楽しみにしています」などと述べた1分間程度のビデオレターを披露。三反園知事は「地元の人たちの熱い思いと県議の先生たちの力強い後押しで実現したもの。これからも子供たちのために何ができるか、考えていきたい」と答えた。

 「離島の特別支援教育にとって大きな前進」と原田事務局長。制服は喜界高校と同じものを着用し、体育祭や文化祭、修学旅行などの学校行事も一緒に参加できるという。「これまで小中学校一緒に通った同級生と、同じ学校に通えるのが何より大きい」と喜ぶ。「今後もメディアなどを通じて我々の活動を発信して、離島の特別支援教育のより充実を目指していきたい」と今後の抱負を話していた。