発電所本格運転を開始

徳之島ダム発電所の管理委託協定式、運転開始式が2日あった。大久天城町長に協定書が手渡された(提供写真)

未利用の水力エネルギー活用

 

徳之島ダム施設の維持管理費軽減

 

 【徳之島】徳之島ダム(貯水量730万㌧)の維持管理費の軽減を図ろうと整備した小水力発電所「徳之島ダム発電所」の管理委託協定式、運転開始式が2日、天城町の徳之島用水管理所であった。県徳之島事業所、徳之島3町関係者などが出席。発電の本格運転の開始を喜ぶとともに、農作物の安定生産の確保などに向けて期待を寄せた。

 同ダムは、国営徳之島用水土地改良事業の一環で整備。1997年度に同事業が着手され、総事業費は、約590億円。同島の全耕地の約半分に当たる約3500㌶を対象に、経営規模拡大、担い手農家の育成など地域農業の振興を図ることを目的に、総延長128㌔におよぶ幹線水路、島内全域へのファームポンド(水槽)12カ所などを整備してきた。

 同事業で造成整備した施設運営にあたって、相当な維持管理費の分担が必要で、小水力発電所は、同ダムから放流される未利用の水力エネルギーで発電。再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用し、九州電力へ売電して経費の軽減を図る。

 14年度に発電所建屋などの建設で着手。ダム式(流れ込み)による最大取水量は毎秒1・3㌧、最大出力は、438㌔㍗。

 徳之島用水管理所で、管理委託協定式・運転開始式があり、農林水産省九州農政局徳之島用水農業水利事業所の寺村伸一所長から、大久幸助町長に管理委託協定書が手渡され、同局から徳之島3町に施設の管理が委託された。

 運転式で大久町長と、寺村所長が発電の運転開始ボタンを押下。式後は、発電所施設の見学も行われ、稼働状況などを確認した。

 同ダム関連施設の実質的な管理は、3町の受益農家でつくる徳之島用水土地改良区が担う。