激戦スタート

最多の4人が立候補した2区の出陣式。保守分裂による激戦がスタートした

県内4選挙区13人立候補

 

保守分裂2区は最多4人

 

 第48回衆院選挙は10日公示された。約5年にわたる安倍首相の政権運営の是非を最大の争点に、消費増税や憲法改正、北朝鮮への対応、原発政策などに舌戦が交わされている。定数が一つ減った鹿児島県内4選挙区には計13人が立候補。このうち奄美群島が含まれる2区には現在の小選挙区比例代表並立制になり最多の4人が立候補した。4陣営は大票田・鹿児島市谷山地区で出陣式、激戦がスタートした。

 県内選挙区の立候補届け出の受け付けは午前8時半から県庁で行われた。各陣営は選挙区ごとにくじ引きで届け出順を決めた後、選管に事前に提出していた書類の審査を済ませ、腕章や表札など選挙の「七つ道具」を受け取り、出陣式会場へ。候補者らは各選挙区で第一声を挙げた。

 選挙区別の立候補者数は、1区と2区が4人、3区3人、4区2人。党派別は、自民党が前職3人、新人1人の計4人。希望の党は前職1人、新人1人の計2人。共産党は新人2人。立憲民主党元職1人。日本維新の会元職1人。社民党新人1人。無所属は新人2人。公示直前に1区の自民前職が出馬を見送り、急きょ後継として長男が自民公認で立候補した中、政権与党の自民が県内選挙区の全議席を確保できるかが焦点。野党は第一党だった民進党の事実上の解党、分裂で3年前の前回衆院選とは様変わり。共産、立憲民主、社民の3党は共闘(候補者の一本化)で臨んでいる選挙区もあり、議席を奪うことができるか注目されそう。

 立候補者は届け出順に、2区が無所属新人の林健二氏(40)、共産党新人の祝迫光治氏(74)、希望の党新人の斉藤佳代氏(38)、自民党前職の金子万寿夫氏(70)=公明推薦=。無所属の林氏は元自民党県議(大島郡区)で、同党公認の金子氏に挑むことから保守分裂が選挙戦にどのような影響を与えるか注視されている。林氏陣営には元自民党衆院議員の徳田毅氏が選対本部長に就き、全面支援している。希望の斉藤氏は民進県連が擁立したことから、引き続き同党や連合の支援を受けている。女性票の掘り起し、希望代表の小池東京都知事への期待などで集票を目指す。共産の祝迫氏は安倍政権を批判するとともに、憲法改正や安保法制を支持する希望も同じ立場として他党・他候補者との政策の違いを強調している。

 4陣営は大票田の谷山地区のほか、地盤とする候補者不在の南薩地域での選挙活動を重視。新たな区割りで2区の有権者数は7万人増となったことから、エリア拡大に伴い県本土を主戦場として位置付けている。一方、地盤とする候補者が2人いる奄美は票の割れが予想され、取り込みしだいでは2区の選挙結果を左右する可能性もある。公示後、4陣営は相次ぎ奄美入りし遊説や街頭演説などの活動で政策を訴える。

 投開票日は22日だが、瀬戸内町の請島、与路島などは21日に繰り上げ投票が行われる。2区の登録有権者数(10月9日現在)は34万8850人(男16万3068人、女18万5782人)。

 他の選挙区の候補者(いずれも届け出順)は次の通り。

 【1区】立憲民主党元職・川内博史氏(55)、無所属新人・宮﨑一博氏(57)、日本維新の会元職・山之内毅氏(35)、自民党新人・保岡宏武氏(44)=公明推薦=

 【3区】希望の党前職・野間健氏(59)、自民党前職・小里泰弘氏(59)=公明推薦=、共産党新人・山口勇太氏(26)

 【4区】自民党前職・森山裕氏(72)=公明推薦=、社民党新人・野呂正和氏(66)