古典芸能魅力に触れる

演目「土蜘蛛」で独武者(左)に蜘蛛糸を投げる土蜘蛛の精(右側)=和泊町=

和泊町内城小 能楽巡回公演

 

迫力ある「土蜘蛛」観賞

 

 【沖永良部】能楽の巡回公演が11日、和泊町立内城小学校(太裕孝校長 全校児童45人)であった。子ども達は、能の演目「土蜘蛛」を観賞し古典芸能の魅力に触れた。

 文化庁の「文化芸術による子どもの育成事業」の一環。人間国宝で大槻能楽堂(大阪)の大槻文藏理事長(シテ方)をはじめ、事前ワークショップ(9月6日開催)で講師を務めた大槻裕一さん(シテ方)、竹市学さん(笛方)、上田慎也さん(太鼓方)ら総勢22人の能楽師とスタッフ7人が来島した。

 同小体育館には、本番さながらの能舞台を設置。上演の前に能面体験が行われ、山姥や猩々(しょうじょう)、般若など10種類の能面の特徴を講師が紹介し、「面の力を借りれば、神様や妖怪にもなれる」「能は、少しの表現で最大の意味を持たせることが目的。皆さんの想像力が合わさって初めて一つの物語になる」などと話した。

 演目「土蜘蛛」は、原因不明の病にかかった武将が、独武者に土蜘蛛の精の退治を命じるストーリー。児童らは、独武者と対峙した土蜘蛛の精が投げつける蜘蛛糸の迫力に見入っていた。

 能面を体験した同小3年の宗大翔さん(8)は「暑いし、周りがあまり見えなかった。能で使われている言葉は難しかったけど、面白かった」と話した。

 大槻理事長は「世界各国に伝統的な芸能がある。実物を見るのはとても大事であり、これから多くのことを経験して欲しい」と語った。

 この日は、能の発声法や鼓の打ち方なども体験した。