大浜礁池サンゴ9割白化、8割死滅

死滅や白化が見られる大島礁池のサンゴ群体=提供写真=

海洋生物研が発表

 

海水温上昇や強い日差し原因

 

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)は17日、今月12日現在、奄美市の大浜礁池でサンゴの約9割が白化、約8割が死滅していると発表した。同礁池で白化が始まったのは8月上旬頃からで、9月下旬からは死滅が進んでいるという。

 同協会によると、同礁池の平均海水温は▽6月25・3度(前年比1・8度低)▽7月29・8度(同0・4度高)▽8月30・0度(同0・2度高)▽9月29・0度(0・1度高)―だった。2016年は8月以降、白化が発生したが、9月以降には色が戻り、回復した。興会長は「水温は昨年とあまり変化がなかったが、日中の海水温上昇や、日差しが強かったことなどにより、浅い海域で多く死滅してしまった」と分析している。

 同礁池のサンゴは1988年の大規模白化後、徐々に回復。06年から07年のオニヒトデ大発生時には保全に成功した。16年からは産卵も確認されていたが、今回の死滅で大きな影響を受けた。

 外洋に面する同礁池の礁縁や、大島海峡などでは白化発生が少ない。また笠利湾や思勝湾、焼内湾などの閉鎖的な海域では白化は発生したものの、大規模な死滅には至っておらず、海水温の低下とともに回復することが見込まれている。