陶芸・絵画30周年個展

「ふるさと」(左)「曼珠沙華」(右)と東京都知事賞に輝いた陶芸作品「花火」(左下)と笑顔の山田淳子さん


手の込んだ陶芸作品の苦労を語る

淳子さんの作品を支える存在の、東京瀬戸内会の会長でもある夫の山田幸一郎さんと孫の松本千世ちゃん(4歳・左)、松本千奈ちゃん(6歳・右)

加計呂麻出身・山田淳子さん

奄美の自然や愛あふれる

【東京】瀬戸内町(加計呂麻島)出身の山田淳子さんが、有楽町の東京交通会館1階ギャラリーパールルームで22日から「山田淳子陶芸・絵画30周年個展」を開催、多くの人たちが訪れ、奄美の自然や愛にあふれた作品に見入っている。

山田淳子さんは30年前から子育てをしながら、地元・千葉県浦安市の公民館で東京芸大卒の2人の先生から日本画と陶芸を習い始めた。現在は秋耕会の会員として、春は上野の東京美術館で、秋は六本木の国立新美術館で開催される展覧会に出展。これまで、陶芸部門では東京都知事賞や同議会議長賞などを受賞。自宅庭には大きめの窯を備えた工房を構え、陶芸教室(JUN工房)を開いて13年になる。また、絵画部門でも浦安市長賞に輝くなど、才能を開花させている。

「30周年と、何かやろうと決めていた70歳がちょうど重なった」ことで淳子さんは、自身初の個展を開くことに。42点の絵画と、大小合わせて約130点の陶芸作品が誇らしげに展示されている。中でも苦労したのが、陶芸の「練り上げ」。赤土と白土を細かく重なり合わせた作品だが「それぞれの土の縮小度が違うため半年間寝かせてから取り掛かります。大きな作 品だと半分は失敗しちゃいますね」(淳子さん)という何とも根気がいる作業だ。「絵画も陶芸も、私の作品には故郷の奄美が土台にあります。いつかシマの赤土を使って作ってみたい」と語っている。

淳子さんは、東京瀬戸内会の山田幸一郎会長夫人。自らも郷友会に積極的に参加、夫の活動のよき理解者でもある。今後は11月から始まる「浦安市美術展」や来年の秋耕展などに備える。会場はJR有楽町駅、京橋口または中央口から徒歩1分。個展は28日まで。時間は、午前10時から午後7時まで。