県議会環境厚生委が行政視察

金作原原生林で喜島会長(右)から説明を受ける県議会環境厚生委員会のメンバー

IUCN調査の質問も

県議会環境厚生委員会(福司山宣介委員長)は7日、奄美市名瀬朝戸の金作原などで奄美地区行政視察の2日目を行った。委員9人と関係者など合わせて約20人が参加。世界自然遺産候補地の現況を調査し、環境省奄美野生生物保護センターなどで世界自然遺産登録に向けた取り組みを視察した。

金作原原生林で委員会は2グループに分かれて、奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長などがガイド。委員たちはゲート内の林道を歩きながら、固有種や希少種の植物などのレクチャーを受けた。

委員たちは、ヒカゲヘゴやクマタケランなどを観察。喜島さんは世界自然遺産登録に向け、「リピーターの獲得と、ノネコなど外来種対策が課題だろう」と委員たちに指摘した。委員からも「ノネコをよく見かけるのか」など質問があった。

金作原の視察を終え、委員たちはバスで大和村にある環境省奄美野生生物保護センターに移動。同センターでは、野口尚史首席自然保護官とアクティブレンジャーの牧野孝俊さんから、希少種保護や外来種駆除などの取り組みの説明を受けた。

野口首席自然保護官が国内34番目に誕生した奄美群島国立公園や、世界自然遺産の登録基準などこれまでのプロセスを紹介。奄美群島国立公園は、これまでの生態系管理型だけでなく環境文化型の2本柱の国立公園として誕生したという。

委員からは、先月12~15日に行われたIUCN(国際自然保護連合)の調査の様子などの質問も。野口首席保護官は、「IUCNの調査は継続中で、調査員のコメントなどは発表できない」。環境省側は、IUCNの調査員2人に奄美が世界自然遺産候補地としての価値があり、希少種保護のためマングース駆除対策事業に取り組んでいることなど十分に説明できたとした。

委員からは、金作原に続く林道の未舗装部の舗装の可否やトイレの設置などの質疑があった。

午後からは奄美市笠利町の県奄美パークに赴き、夕方の飛行機で徳之島に移動。8日は、徳之島町地域包括支援センターやNPO法人徳之島虹の会などで行政視察する予定。