「自分たちで守る意識を」

住民も多く参加した、奄美市名瀬柳町の火災防御訓練

名瀬柳町 住民も参加、火災防御訓練

 

 9日から始まった「秋季火災予防運動」の一環として大島地区消防組合は12日、奄美市名瀬柳町で火災防御訓練を行った。訓練には同消防組合名瀬消防署の職員のほか、地域住民、鹿児島県LPガス協会奄美支部員ら約80人が参加し、火災発生を想定した訓練で防火意識を高めた。

 訓練現場は車両の侵入経路が限定された住宅密集地で、消防活動困難地域に指定されている。2015年7月に発生した火災では人的被害はなかったものの、13棟が全焼、5棟が部分焼の大火に発展。09年には9棟、10年には14棟が焼ける火災が発生している。

 今回の訓練は同日午前6時ごろ、同町22番街区の木造住宅で火災が発生し、延焼拡大中という状態を想定したもの。住民の避難後、消防による消火栓を用いた消火活動を実施。終了後には女性消防団員による初期消火訓練として、住民が実際に消火器を使った訓練もあった。

 早朝からの訓練にも関わらず、多くの住民が参加した。同町第7自治会の山田正修会長(69)は「高齢者や身体的な障がいを抱えた人の対応など考える必要が課題として見えてきた。また、訓練を通して町内の消火設備などに問題がないことが確認できて良かった」と語った。

 小松和行消防長は講評として「災害のない町づくりは家庭の火災予防から。自分たちの地域は自分たちで守るという意識を持ってほしい。この時期から年末にかけて乾燥し、火災が起こりやすくなるので注意してほしい」と呼び掛けた。