白化少なくオニヒトデ未発生

潜水調査で白化現象やオニヒトデの食痕などの発生を探査した(提供写真)

瀬戸内町海を守る会 奄美大島南部リーフチェック

 

 瀬戸内町海を守る会(武夏樹会長)はこのほど、同町安脚場沖のサンゴ群落でリーフチェックを行った。同会会員など15人が参加し潜水調査。調査地点では「白化群体は少なくオニヒトデの食痕は確認されなかった」とした。

 同地点でのリーフチェックは、17年連続17回目。奄美大島南部の周辺海域は2001~05年にかけて、オニヒトデが大量発生してサンゴに壊滅的な被害がもたらされた。

 同調査地点は02年6月サンゴ保全海域に設定され、オニヒトデ駆除を継続しサンゴ群落を保全。調査は加計呂麻島安脚場沖の約200㍍に広がる礁斜面に、水深5㍍と10㍍地点に100㍍の測線を設定。潜水して測線におけるサンゴ被度や、魚類指標種、無脊椎生物の数など指定項目を計測した。

 奄美大島では今年も昨年同様に夏期高海水温の影響で、内湾や外洋に面する礁池内でサンゴの白化現象が発生。だが大島海峡内は白化群体も少なく、影響は軽微だったという。

 調査地では、樹枝状ミドリイシ属や葉状コモンサンゴ属の一部(5%未満)に台風による破損を視認。白化群体は全体の5%未満で、オニヒトデの発生は確認されなかったとした。

 生サンゴ被度は、水深5㍍測線で46・3%(前年45%)と微増し、水深10㍍測線では45・6%(同36・9%)と大幅に増加。魚類指標種は、水深10㍍測線でチョウチョウウオ類が微増した。

 チーム科学者として調査に参加した奄美海洋生物研究会の興克樹会長は、安脚場沖のサンゴ群落をサンゴ幼生の供給源、観光資源として重要視。リーフチェックについて、「17年間サンゴが壊滅することなく保全され続けてきたことは、サンゴ礁保全の成功例」と評価した。