両陛下 沖永良部到着

沖永良部空港に到着した天皇、皇后両陛下=16日午後4時半ごろ=

初の訪問 多くの町民で歓迎

 

「ありがとう」とお声

 

 【沖永良部】天皇、皇后両陛下が16日、空路沖永良部入りした。来県は、2003年の奄美群島日本復帰50周年記念式典への出席以来、14年ぶり。行幸啓日程は3日間で、沖永良部島と与論島の訪問は今回が初めてとなる。空港や県道沿いは、両陛下の来島を喜ぶ多くの町民で埋め尽くされた。

 午後4時すぎ、両陛下を乗せた特別機が空港に到着。ターミナルビル正面には、和泊町長寿クラブ連合会のメンバーとわどまり保育園の園児ら約200人が出迎えた。ビル出口から両陛下が姿を現すと、大きな歓声が上がり涙を流す住民もいた。

 出迎えた野山イセノさん(88)は「長生きしてよかった。こんな小さな島に来てくれてありがとうございます」。谷山ハルさん(100)は「ほうらしゃぬことよ(うれしいことよ)」と話した。伊地知実利和泊町長は「多くの町民の歓迎に喜んでくれたと思う。地元の子ども達による黒糖作りや民謡を堪能してほしい」と語った。

 両陛下は車に乗り、宿泊先の知名町フローラルホテルへ。県道沿いには、和泊、知名両町民が日の丸の小旗を振り歓迎。両陛下も笑顔で手を振り応えた。

 ホテルで出迎えた平安正盛知名町長は「『ありがとう』と声をかけて頂いた。長旅でお疲れだったと思うが、お顔を拝見すると、清々しい表情をされていた」と話した。

 フローラルホテルで記者会見した三反園訓知事は「2012年に来島計画があったが、実現しなかった。この機会に離島の事情を視察し、島民との触れ合いを深めてほしい」と述べた。

 この日は、東京から屋久島に向かい、15年5月に新岳の爆発的噴火で一時避難を余儀なくされた口永良部島の住民らと懇談。その後、特別機で沖永良部へ移動した。

 2日目の17日は与論島を訪れ、干潮時にだけ見える百合ヶ浜を見学し、国の重要無形民俗文化財に指定されている与論十五夜踊りを鑑賞する。

 18日は、沖永良部島の知名町でテッポウユリ生産農家のほ場を訪れる。また、樹齢110年を超える日本一のガジュマルがある和泊町立国頭小学校を訪れ、児童らによる黒糖作りや民謡の合唱をご覧になる。