国頭小の児童 両陛下に、黒糖作りと民謡披露

児童の演奏を鑑賞される両陛下=18日午前11時50分ごろ、和泊町=

1118国頭小学校、黒糖づくり・民謡披露②
サタグルマでキビを搾る様子をご覧になる両陛下(和泊町サンサンテレビ提供)=18日午前11時半ごろ、同町=

「島の素晴らしさ伝えられた」

 

 【沖永良部】天皇、皇后両陛下が18日、和泊町立国頭小学校を訪れた。児童らは、昔ながらのサタグルマを使った黒糖づくりと民謡「永良部百合の花」を披露した。民謡で三味線を弾いた同小6年の川上鈴夢さん(12)は「この日のために一生懸命練習してきた。両陛下に沖永良部の素晴らしさを伝えられたと思う」と笑顔で語った。

 黒糖づくりには、5年生15人が参加。そのうち4人の児童が昔ながらのサタグルマを押し、キビ汁を搾った。最終工程の煮る作業は、黒糖づくりを5年前から指導している通村幸吉さん(65)を含む大人5人が担当した。

 両陛下は、児童が持つサトウキビを手で触ったり、歯車でキビを搾る様子を近くでご覧になったりした。また、車を押していた久富南空さん(10)らには「重くないですか」「何回ぐらい回すのですか」と質問したという。

 煮る作業を行った通村さんは「完成した黒糖を食べてくれた。祖父や親も黒糖を作ってきた。こんなにも感動したことはない」と喜んだ。

 両陛下が同小を出発する前に、全校児童80人(うち三味線担当5人)が民謡「永良部百合の花」を披露した。

 最初に同小6年の宮村真美さん(12)が「100年の時を超えて受け継がれてきた『えらぶゆり』を島の宝として、これからも守り続けていこうという願いが込められています」と、歌の内容を説明。両陛下は、約2分間の演奏を鑑賞し、演奏が終わると拍手で子ども達を称えた。

 宮村さんは「すごく上手くできた。2週間前から毎日練習してきた。皇后さまが『沖永良部の方言は難しいので、翻訳した歌詞を覚えます』と言ってくれて、本当に優しい人だと感じた」。

 児童に民謡を教える秋田茂穂さん(29)は「両陛下に歌詞がわかるようゆっくり演奏した。3日前のリハーサルでは不安もあったが、本番はとても良かった」と話した。

 森田郁朗校長は「多くの子ども達に声を掛けようとする両陛下の姿が心に残った。先人から受け継いできたものを両陛下に見せることができた」と語った。