提灯で感謝と歓迎

住民300人が提灯で両陛下を歓迎した=17日午後8時すぎ、知名町=

両陛下、手振り応える

知名町・住民300人参加

 【沖永良部】天皇、皇后両陛下に感謝と歓迎の気持ちを伝える「提灯(ちょうちん)奉迎」が17日夜、知名町のメントマリ公園であった。提灯を振る住民300人を前に、両陛下もホテルの部屋の窓から姿を見せ応えた。

 午後8時すぎ、住民らが提灯を手に公園に集まった。街頭の電気は消され、周辺は提灯の明かりだけになった。公園の隣にあるフローラルホテル4階の一つの部屋の窓から提灯を持った両陛下が姿を現すと、住民らが一斉に万歳三唱を行い、提灯を上下左右に振った。両陛下も同じように提灯を動かした。

 ホテルの部屋の明かりが付き、両陛下が笑顔で手を振り、住民もその姿に歓声を上げた。

 神崎敏雄さん(83)は、妻のあやこさん(87)と参加。「尼崎で6年前にお会いしたことがある。故郷に帰って来てからもお会いできてうれしい。やっぱりすごい。感動した」。

 藤野光紀さん(12)は「天皇陛下がいらしてびっくりした。沖永良部に来てくれてありがとうと思いながら提灯を振った」と話した。

 奉迎後、知名小学校体育館に移動した住民に、平安正盛町長が両陛下から頂いた言葉を伝えた。両陛下は「雨もようで芝もぬれている中、たくさん集まってくれてありがとう。上からとてもきれいでした」と感想を述べたという。

 同日は午後から強い雨が降り一時は奉迎の中止が発表されたが、平安町長は「住民の意見を聞いたら『ぜひやりたい』ということで準備した。予定通り実行して良かった。両陛下が提灯を振っている様子を見て胸が熱くなった」と語った。