奄美市長選 朝山氏が3選

3期目の当選に喜ぶ朝山氏(写真中央、19日午後9時45分ごろ後援会事務所)

 

2017奄美市長選開票結果

投票率48・06%、過去最低

 

組織力で荒田氏に圧勝

 

 任期満了に伴う奄美市長選挙は19日、投開票され、現職の朝山毅氏(70)が、新人の市民団体役員の荒田まゆみ氏(69)=いずれも無所属=を破り、3選を果たした。前回無投票だったため、8年ぶりとなった選挙戦は2期8年のかじ取りを務めた朝山市政の評価が最大の争点。一方で告示前から選挙は盛り上がりに欠け、投票率は市町村合併前の旧名瀬市時代を含め過去最低の48・06%にとどまり、関心は最後まで高まらなかった格好。市民は朝山氏に1万3264票(得票率78%)を託し、再びリーダー役に選んだものの、市政3期目への影響が懸念される。

 現職の朝山氏は今年3月定例議会で「次の夢の実現に向け、努力したい」と立候補を表明。自民、公明両党の推薦や21市議の支持表明、友好団体の支援による地盤に加え、市内全域での街頭演説で票の掘り起こしに努め、序盤から優位に選挙戦を進めた。

 行財政の改革・安定化、雇用促進対策、公共大型プロジェクトの着手など実績を強調。▽世界自然遺産登録(来夏)による観光振興▽農林水産業の振興▽凍結中のおがみ山バイパス事業の促進▽情報産業と連動した雇用拡大―などを公約に支持を訴え、奄振法延長や進行中の公共事業の完遂による地域振興に意欲を示した。

 当選後、投票率の低迷について朝山氏は「市政への関心が高まらなかったことに責任を感じている」と述べた。

 荒田氏は10月に「市民の声に耳を傾けない現市政に疑問を感じた」と出馬会見。政治団体「奄美をよくする市民の会」を立ち上げ、市政刷新に向け社会福祉の充実を公約に、現市政が推進する陸上自衛隊部隊配備計画、おがみ山バイパス事業の見直しをアピール。草の根運動を展開したが、支持の広がりは得られなかった。

 投票は市内33カ所で19日午前7時から午後6時まで実施。両陣営の関係者が見守るなか、開票は午後8時から名瀬小学校体育館で始まり、同9時15分に確定。朝山氏が荒田氏の3771票に3・5倍の差をつけ圧勝した。選管発表を受け、両陣営に朝山氏当選の一報が伝えられた。

 投票率はこれまで最低だった2002年実施(52・91%)時より4・85ポイントも下回った。合併で奄美市誕生以降続く、市長選の投票率低下に歯止めがかからなかった。

 期日前投票は前々回選を2187人下回る、4643人(有権者数全体の12・81%)だった。

 ▽当日有権者数3万5888人(男1万6765人、女1万9123人)▽投票者数1万7246人(男7887人、女9359人)▽投票率48・06%(男47・04%、女48・94%)▽有効投票数1万7035人▽無効投票数211人