17年産キビ生産見込み

自然災害相次ぐも40万㌧

 

農作前年より7万㌧減か

 

大島支庁まとめ

 

 県大島支庁農政普及課は21日、奄美群島の2017年産サトウキビ生産見込み(11月1日時点)を発表した。台風や豪雨、干ばつといった自然災害が相次ぎ、豊作となった前年より約7万㌧減となりそう。それでも40万㌧台は確保しそうだ。

 減収予想の要因としては、▽8月以降の4回の台風による被害▽9月の喜界島での豪雨被害▽7~8月の徳之島以南での干ばつ―などを挙げている。生産量は40万7947㌧を見込んでいるが、平年の39万㌧は上回る見通し(前年比15%減、平年比4%増)。

 生産量見込みを島別にみると、奄美大島2万7809㌧(前年実績比1493㌧減)、喜界島8万2800㌧(同1万3912㌧減)、徳之島18万9569㌧(同3万2970㌧減)、沖永良部島8万2914㌧(同1万3611㌧減)、与論島2万4855㌧(同7704㌧減)となり、前年の全島増から一転し、いずれも減収を予想している。減収割合でみた場合、与論の24%減が最大。逆に最小は奄美大島の5%減となっている。

 収穫面積をみると、奄美大島601㌶(前年実績比12㌶増)、喜界島1414㌶(同16㌶減)、徳之島3472㌶(同115㌶減)、沖永良部島1660㌶(同73㌶増)、与論島425㌶(同2㌶増)。奄美大島、沖永良部島、与論島の3島は収穫面積が増加したが、喜界島と徳之島は減少している。最も面積の多い徳之島の減で、群島計は44㌶減の7572㌶となった。

 単収(10㌃当たり)の島別は、奄美大島4626㌔、喜界島5855㌔、徳之島5461㌔、沖永良部島4994㌔、与論島5845㌔。単収の最低は奄美大島となっている。

 大型製糖工場の操業は、沖永良部島の南栄糖業が年内操業の12月10日開始を決定している。

 17年産キビの生産見込みについて同農政普及課の宝正己課長は「各島とも減収予想となっているが、自然災害が相次いだ中でも平年比を上回っている。災害に対するサトウキビの強さと、農家の土づくりや栽培管理のたまもの。ただ、今回の生産見込みには台風22号の潮風害は反映されておらず、登熟の遅れなど品質面への影響が少ないことを望みたい」と受け止めている。

 なお、奄美群島のサトウキビ生産量は、10年産実績で約45万㌧に達したが、翌年産は28万㌧まで急下降。イネヨトウ(メイチュウ)や台風被害などで大幅な減産が続いたものの、15年産は約38万㌧に回復、豊作となった16年産は47万7千㌧まで伸びた。