沖永良部徳洲会病院竣工祝賀式典・内覧会

沖永良部徳洲会病院の新築移転を祝いテープカットする関係者ら=23日午後2時ごろ、知名町=

1123沖永良部徳洲会病院新築工事竣工祝賀会②
内覧会で最新の機材を導入したMRI室を見学する住民ら=23日午前8時50分ごろ、知名町=

地域医療の拠点、完成祝う

 

12月1日オープン

 

 【沖永良部】新築移転工事を進めていた医療法人徳洲会(鈴木隆夫理事長)が運営する沖永良部徳洲会病院の竣工祝賀会・内覧会が23日、現地であった。離島病院の建て替えは徳洲会グループで初。竣工祝賀会には、関係者など約200人が出席し、地域医療の拠点施設の完成を祝った。新病院は、12月1日にオープンする。

 既存施設(1990年5月開設)の老朽化に伴う建て替え。新施設は、現病院の隣接地に建設した。鉄筋コンクリート造り地上5階建て、敷地面積8712・76平方㍍、延べ床面積6887・23平方㍍、総事業費は約30億円。現病院は解体し駐車場として整備する。

 療養環境の改善をコンセプトに、一般病棟・療養病棟ともに4床室と個室で構成。一般病棟のうち6床をHCU(高度治療室)として運用する。硬度の高い水道水を軟化する設備を導入したほか、台風被害などから守るために耐風圧・耐衝撃性能の高いガラスを使用。設備はメンテナンス性に留意し、できるだけ地元の業者が修繕可能な機器を採用した。

 式典では、同会の安富祖久明副理事長、同病院の渡慶次賀博院長、平安正盛知名町長ら7人がテープカット。安富祖副理事長は「いつでもどこでもだれでもが最善の治療を受けられる社会の実現を目指して、今後も救急医療や離島医療、高度先進医療、臨床研究などにも積極的に取り組んでいきたい」とあいさつ。平安町長は「新病棟は、地域特有の立地条件に配慮し、地域住民が安心安全に過ごせるよう建設されている。地域医療の拠点として機能してほしい」と期待を込めた。

 同日午前中、地元住民を対象に内覧会を実施。病室や診察室などを見て回った住民らは「きれい」「すごく広い」と驚きの表情を見せた。また、最新の機材を導入したMRI(磁気共鳴画像診断装置)室では、担当職員が「これまでの機材より撮影部位も広がり、画質も大幅に良くなる。撮影時間も約半分に短縮されるので、患者の負担も軽くなる」と説明した。

 内覧会に参加した男性(22)は「一つ一つの設備がすごい。入院患者も安心できる」。大屋元厚さん(73)は「通路が広く歩きやすい。トイレも多くて使い勝手がいい」と話した。