ティダネシア音楽フェス

多くの観客の前で思いを込めて歌い上げる、平田輝さん&我那覇美奈さんによるユニット「ヒラガナ」

ティダネシア音楽フェス②
奄美の情報などを交えMCを務めた、サブディーン(芸名・左=実は男性)と、大瀬理子さん(右)

ティダネシア音楽フェス③
会場と出演者が大合唱で一つに。「奄美の音楽の新しい風が吹いた!」

ベテランから新人まで出演

 

新たな奄美の音楽シーン実感

 

 【東京】「みんなで風を起こそう。新しい奄美の風を起こそう!」。奄美の新しい音楽シーンをと命名した「ティダネシアミュージックフェスin Tokyo」が26日、渋谷のclub asiaで盛大に開催された。歴史あるクラブのステージには、ベテランから新人まで奄美に関連のあるアーティストらが出演、約200人の観客(主催者発表)に新たな奄美の音楽シーンを感じさせるイベントとなった。

 さんさんと降り注ぐ太陽を意味する共通の方言、ティダとヤポネシアを掛け合わせた造語「ティダネシア」を冠に抱いた、記念すべき第1回のステージ。最初に登場したのは、禎一馬さん。闘牛の島・徳之島の熱気を持ち込む。「ハイバードー」を歌うと早くも観客は、輪を作って駆け巡るノリノリの状態に。

 トップバターの熱気をいったん冷ますように、続いて、ひめまりがしっとりと歌い上げた。その後、Nampooやクウチュウ戦、タナカアツシさんも登場、ぎっしりと埋まった観客席に向け熱演した。

 中村佳穂さんらがスティーブ・エトウさんの巧みなパーカッションで歌うと、里歩寿さん、牧岡奈美さんもシマ歌に思いを込めていた。ウクライナ出身のカテリーナさんは、バンドゥーラで魅了した。

 そして、平田輝さんと我那覇美奈さんのユニット「ヒラガナ」が大きな拍手の中でステージへ。「島以外の人が多くてうれしい。奄美を好きになって来てくれたのかな」と、我那覇さんは熱気あふれる観客席に語り掛け、「月の雫」を熱唱。平田さんの「HARUKANA」には、目頭を押さえる女性の姿も。

 クライマックスは、出演者全員で「AMAMI WE ARE THE WORLD」の大合唱に。会場全体が音楽の「未来への翼」となったよう。「みんなでひとつになれる曲を歌えて、ほっとしました。上々のスタートですね」。この日のために曲の制作に当たった平田さんは、充実感いっぱいに振り返った。

 司会を務めたのは、関東圏の大学1年生限定のミスコンでグランプリに輝いた大瀬理子さん。初の大役にも「島の雰囲気の中で緊張もなく、楽しく進行できました」と笑顔を見せた。

 一方、主催側の恵原睦男さんは「これだけのメンバーがそろったのは平田君、平山富彦君と3人で毎週のようにミーティングを重ねた成果。これからも関東近辺の隠れた逸材を発掘して、奄美の良さを島以外の人たちに知ってもらえるようにしたい」と、次回の開催に意欲を見せていた。