大島拘置支所が完成

9月に完成した鹿児島刑務所大島拘置支所の新庁舎

43年ぶり改築、環境への配慮も

 

 2015年3月から新築工事が進められていた奄美市名瀬矢之脇町の鹿児島刑務所大島拘置支所がこのほど完成した。1日には同市名瀬の集宴会場で落成式典が行われ、終了後には式典出席者による施設参観があった。

 同拘置所は1878年に大島監獄支所として開設。1974年には大島拘置支所と改称し、旧庁舎が竣工した。以降40年以上、旧庁舎が使用されてきたが、塩害や経年による老朽化が激しく、2015年3月から収容を継続しながら、庁舎と職員宿舎の現地新営工事を開始した。今年6月には施設が竣工し、外装工事などを経て9月に全面完成となった。

 新庁舎は鉄筋コンクリート3階建てで延べ床面積は2267・5平方㍍。総工事費は約17億2千万円。収容定数は旧庁舎より2人増え28人となった。高い外壁を取り除いた都市型拘置所で、運動場の庁舎内設置、収容室の窓内側部分内側に鉄格子つけることで、外部から施設内が見えないようになっている。

 同拘置所は代用少年鑑別所を敷設しているため、少年用の仕切りのない面会所を設置した。また、認知症や精神疾患を持った収容者のために突起物を排除した保護室や、静穏室も完備。このほかにも、津波などの自然災害に対応するため、変電室と自家発電室が3階にあること、環境に配慮し、屋上に太陽光発電システムを設置したことなども特徴となっている。

 1日に行われた落成式には行政、警察、裁判所などの関係機関から約50人が出席。工事関係者らや地元住民への感謝状贈呈や、施設概況の説明が行われた。鹿児島刑務所の吉田博志所長は式の中で「新庁舎の完成を機に、矯正行政の使命の重大さを自覚し、最善の努力を傾注し、地域社会に寄与したい」と式辞を述べた。