「茶処・あがりまた」開業

「癒しの里」当部(とうべ)集落に開業した「茶処・あがりまた」と地元の女性連メンバーたち=2日、天城町

地場産素材で 手づくりお菓子や料理

 

天城町当部 自然・歴史・文化、癒しの里

 

 【徳之島】天城町が、奄美群島国立公園指定と世界自然遺産候補地域に隣接した同町当部=とうべ=集落の空き民家を再活用して整備した「茶処・あがりまた」が2日、開業した。地元の女性部(武田わか子代表)たちが、大自然や歴史文化とのふれあい・癒しを求める来訪者たちに、地場産素材を使った手づくりのお菓子や料理の提供を始めた。営業時間は土日・祝日の午前10時―午後5時。

 県の魅力ある観光地づくり事業(2014年度―16年度)による同集落名物の湧水池「東又泉(あがりまたいじゅん)」前広場へのトイレ棟や休憩施設、集落の信仰地「当部ビンジルガナシ」、オキナワウラジロガシ(板根)、旧日本軍の取水施設までの遊歩道など整備と並行。16年度町単独事業による「当部癒しの里・拠点庭園整備」として、地域おこし協力隊員のアイディアも盛り込み、泉に隣接した空き民家を町が借り上げて整備した。

 当部集落住民や町内外からの来訪者を交え午後1時、徳之島闘牛太鼓一行の演舞のアトラクションで開式。大久幸助天城町長は「世界自然遺産に登録されると、多くの人たちが一番先にこの地を訪れると思う」。同集落(約20世帯・約40人) の武田久夫区長も集落活性化への起爆剤に期待した。

 そして同茶処を管理・運営していく集落女性部(約13人)の武田代表(70)は、「昔は〝陸の孤島〟と呼ばれた当部ですが道路も便利に。だが、まだ当部を知らない方に出会う。縁あって〝当部のババ〟たちで当部ならではのおもてなし、癒しの空間が出来たらと思う」。

 料理は、春は芽吹いたばかりのタラの芽やツワブキのつくだ煮。夏は泉の冷水を活用したソーメン流し。秋はホクホクとしたイモ料理。冬はみずみずしい大根など。「当部で取れた食材で季節を味わってもらえたらうれしい。忙しい日々の中で、ゆっくりとした時の流れを感じていただける癒しの空間。それが〝当部のババ〟たちの願いです」とアピールした。

 問い合わせは天城町商工水産観光課・商工水産係(電話0997-85-5149)。