朝崎郁恵さん

第1回の恩返し公演終了を報告した朝崎さん(中央)とツアープロジェクトチームの音楽評論家増渕英紀さん(右)、映画監督の渡辺真也さん

「世界の宝の島唄 島の若い人も引継いで」

 

恩返しコンサート終え

 

奄美全島での公演意欲

 

 加計呂麻出身の島唄歌手の朝崎郁恵さんが4日、2日にあった恩返しコンサート終了報告で奄美新聞社を訪れた。故郷奄美への恩返しと島唄への熱い感情を込め、次回以降の無料公演のシリーズ展開について語った。

 朝崎さんは、1935年に加計呂麻島で生誕。60年に奄美を離れて、望郷の念や島唄を忘れないように島唄を歌い続けてきたという。

 歌手活動を始めて、日本各地の人たちに奄美島唄をCDやライブ、テレビなどを通じて広めることに尽力。最近はインターネットで、世界中から応援の声が届くという。

 今回恩返し公演第1回を2日、加計呂麻島諸鈍の展示・体験交流館で開催。ツアープロジェクトチームを結成し、3部構成のライブが披露された。

 翌日は、故郷の花富集落の公民館で歌唱。花富では、「昔の島唄などのリクエストを受けて歌い、両日とも観衆は喜んでいた。恩返し公演を実施できて良かった」と朝崎さん。

 恩返し公演を考えるようになったのは、活動を関東拠点で行ってきたが、奄美での公演活動が少なかったためと説明。「これまで世の中の人に島唄を聴いてもらいたいと考え、音楽活動してきた。最近は奄美への恩返しを考えるようになり、島々を回り自分の歌をたくさん聴いてもらうのが自分の仕事でないか」と語った。

 また戦前の古い島唄を歌える最後の世代としての責任感も。「世界にとっても宝である島唄を、島の若い人にも引き継いでもらいたい。恩返し公演も来年以降継続したい。全島を回って無料で聴いてもらいたい」と意欲を見せた。