中尾拓矢さん(奄美市出身)単行本発売

少年漫画「黒影のジャンク」

 

今年から夢を実現

 

 奄美市名瀬出身の漫画家、中尾拓矢さん(28)の少年漫画「黒影=こくえい=のジャンク」の単行本第1巻=写真=が11月29日に発売となった。出版元は講談社で、価格は560円(税別)となっている。

 同作品は魔法使いが主人公のファンタジー作品。無料漫画配信サイト「サイコミ」で今年5月から連載が始まった。月2回のペースで配信されており、現在は13話まで読むことが出来る。

 奄美市名瀬に生まれ、小中学校時代を徳之島で過ごした中尾さん。専門学校卒業後はアニメーション制作会社に勤務するが、今年から、元来の夢だった漫画の世界に足を踏み入れた。会社勤めをしていたころから構想を練っていた同作品を執筆。同サイトからデビューを飾り、今回自身初の単行本発売に至った。

 中尾さんは帰省した際に友人たちと普段着のまま海に飛び込んだことを印象深い思い出として話す。今でも自分の中で生き続ける奄美については「(奄美群島を)離れてから10年以上が経つが、自己紹介では島出身だと言う。島にいた時の経験が作品につながっている」と語った。また奄美群島については「今はまだ考えていないが、奄美や徳之島はシマ唄など、漫画の題材にしやすいものが多くある。ただもし描くとしても自分には知識がないため、住みながら取材をしっかりしたい。そういう意味では実家があるというのはアドバンテージになる」と取材熱心な姿勢をうかがわせた。

 単行本1巻には1~5話を収録。また、今月末には単行本2巻の発売も予定されているという。