身寄せ合い冬越し

奄美大島北部にある森で、冬の訪れを告げるリュウキュウアサギマダラの越冬が見られた

リュウキュウアサギマダラ

 

 名瀬地区の最低気温が11・6度まで下がった10日朝、奄美大島北部の森でリュウキュウアサギマダラの冬越しの様子が見られた。じっと身を寄せ合うようにしながら群れでの越冬は、奄美に冬の訪れを告げる風物詩となっている。

 淡いブルーの模様が入った翅が特徴のリュウキュウアサギマダラ。翅を広げた時の大きさは7㌢ほど。東南アジアに分布するが、その北限は奄美大島とされている。

 数匹ずつが群れとなっての集団越冬が観察されたのは、集落近くにある小高い森林内。観察を続ける住民によると、越冬の様子は12月に入っても数が少なかったが、この日は前日の夜から冷え込みを感じるようになり、早朝訪れると、まとまった数が見られたという。「冬越ししている数は昨年より多い。観察できる環境を大事に保ちたい」。

 冬越しでは木々の枝やつるに止まる。周辺は樹木が覆いかぶさっているため薄暗く、無風状態。木漏れ日が届き、やや明るくなり、気温が上昇すると、リュウキュウアサギマダラは眠りから覚めたかのように翅を広げる。静から動への瞬間、青い輝きが美しさを増す。