早くもヒカンザクラ開花

龍郷町の長雲山系で開花が確認されたヒカンザクラ

寒空ほんのり染める

 

龍郷町長雲 標準木は年明け以降か

 

 12月も中盤に入り奄美地方も最低気温が10度近くまで下がる日が続いているが、龍郷町の長雲山系(標高約300㍍)では数輪程度ながらヒカンザクラの開花が見られる。淡いピンク色の花が寒空を、ほんのりと染めている。

 開花しているのは、奄美自然観察の森の奥にある駐車場。「ドラゴンサミット2000記念樹」の標識がある。自然観察指導員の川畑力さんは「町道沿いのヒカンザクラの中にも2~3輪ほど開花しているものがあり、開花が早いものもある。観察の森内にあるヒカンザクラの方は、まだ開花していない。標高が高い森内の気温は13日午前で12度台。寒が入り出している」と話す。

 ヒカンザクラは龍郷町の町花。観察の森の駐車場から身障者トイレまでの直線で106本、観察の森全体では約260本の植樹がある。例年、開花宣言は森内の標準木の状況によって判断されており、標準木の開花は年明けになりそう。

 『琉球弧野山の花』(写真と文・片野田逸朗さん著)によると、ヒカンザクラはバラ科(サクラ属)で、人里周辺で植栽される中国原産の落葉高木。花期は1~3月ごろで、花は葉に先立って、前年枝の葉腋から下向きに咲くのが特徴。和名は「寒緋桜」。寒期に花を咲かせることから由来する。