徳之島高芸術鑑賞教室

桂楽珍の落語・仕草の指南を受ける後輩たち(徳之島高芸術鑑賞教室)=15日、徳之島町文化会館

後輩らに仕草指南も

 

落語家・桂楽珍さん

 

 【徳之島】徳之島高校(白石秀逸校長・生徒数305人)恒例の芸術鑑賞教室が15日、徳之島町文化会館であった。ゲストは、旧徳之島高卒の落語家桂楽珍さん(55)=本名・中山行治さん、天城町与名間出身。徳之島噺(ばなし)や参加体験型の落語教室、古典落語の寄席を通じ、後輩たちに笑いをプレゼントした。

 芸術鑑賞教室は優れた舞台芸術の鑑賞と併せ参加体験型で楽しむ学校行事の一つ。楽珍さんは1982年4月、桂文珍師匠の一番弟子として上方落語界入りして現在、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。関西・関東を中心に全国で活躍。徳之島観光大使の1人。徳之島高への同ゲスト招へいは3年ぶりという。

 鑑賞教室ではまず、都会に出て島口(方言)を連発した際の面白ネタや、ふるさとの両祖母「カナブンさん」「ウシさん」の身内ネタも盛り込んだ漫談で後輩たちを爆笑の渦に誘った。扇子と手拭いを駆使した仕草の再現では、生徒3人と白石校長ら教職員3人も突然指名されて登壇、固まりつつの演技も笑いを誘った。そして「ワイド節」の出囃子(ばやし)とともに古典落語の定番演目の一つ「青菜(あおな)」の滑稽噺で、懸命に現代っ子らの笑いを引き出した。

 生徒会長の松田響さん(2年生)はお礼のことばで「日本の伝統芸能を間近で観れて、貴重な体験に。徳之島出身の方が日本各地で活躍していることに、同じ島出身としてとても光栄」。楽珍さんは「この中から東京や大阪で教養・知識を授かって経験後、島に帰って島の文化を支える人が出て欲しい」とも呼びかけた。