フェリー安全総点検

ブリッジで法定書類の確認などを行った海上保安部員ら

事故なく物資運送を

 

奄美海保 安全運航呼びかけ

 

 奄美海上保安部は19日、奄美市の名瀬港佐大熊岸壁に着岸中の十島村が運航する「フェリーとしま」に対する安全総点検を行った。同点検は海難事故・事件が増加傾向となる年末年始期間の特別警戒と安全指導の取り組みの一環。救命艇の設備確認や車両の固定状況のチェックなどを行うとともに、乗組員らに安全運航を呼び掛けた。

 同海保部員14人が船に乗り込み、ブリッジでは法定書類を、客室では消火設備、救命胴衣、車両甲板では車両の固定状況などを確認した。また乗組員に対しては、船内での事件・事故の未然防止活動や安全運航を求めた。

 同海保の安尾博志部長は「今回の点検では異常はなかった。生活物資などを運ぶフェリーに関する事故は未然に防がなければいけない。油断が事故につながるので、乗員はもちろん乗客も自ら注意してほしい」と語った。

 海保は、繁忙時期となる年末年始期間中は事件・事故の未然防止などを目的に警戒と、関係者への安全指導を強化。緊急用電話番号「118番」を利用した通報体制の確保や、救命胴衣の常備、船内外巡視の強化などを呼び掛けている。また、今月29、30日と来年1月3、4日の4日間は名瀬新港フェリーターミナルと入港中のフェリーで巡回による警戒を予定している。

 「フェリーとしま」は十島村営船で、県本土や奄美大島とトカラ列島の島々を結ぶ唯一の交通機関。旅客定員は200人で週に2~3便運航している。