繊維はぎとる「ウーハギ」作業

ウーハギ作業を行うスタッフ=知名町=

来年3月まで沖永良部芭蕉布会館

 

 【沖永良部】知名町下城の沖永良部芭蕉布会館(長谷川千代子代表)では、糸芭蕉の木の切り倒しと繊維をはぎ取る「ウーハギ」作業などが、12月中旬から始まっている。来年3月まで作業は続き、1年分の原材料(糸)を採取する。

 16日は、会館近くの畑で栽培する糸芭蕉の木を切り倒した後、スタッフ6人が集まって会館中庭でウーハギの作業を行った。

 切り倒した糸芭蕉の幹は、長さ1・2㍍ほどで、3年間育てたものが繊維を取るのに適しているという。採取する部分で硬さが異なり、外側は硬く、芯の近くになるほど柔らかくなる。

 糸芭蕉の木からはぎ取った繊維は、鍋で煮詰めて柔らかくし、余分な繊維を取り除く。この工程を3月末まで繰り返す。

 今年7月から芭蕉布を学んでいる福田かおりさん(石川県出身・38)は「自然の素材で作る芭蕉布に興味があって沖永良部島に来た。ウーハギの作業は初めての体験。先輩らの指導を受けながら、少しずつ上手くなっていきたい」。

 工房の長谷川代表(78)は「糸取り作業の体験もできるので、子どもからお年寄りまで多くの人に工房に来てもらいたい」と話した。