大島紬を着けて「ナンカンジョセ」を受け取る詩童くん
奄美市名瀬 川元詩童くん 祖父譲りの紬まとい親戚宅回り
「七草の節句(なんかんぜっく)」の7日は、七草粥を食べて一年の無病息災を願う日。奄美各地では数え年7歳の子どもがナンカンジョセ(七草粥)をもらって回る風習が残っていて、市内でも子どもの成長祝う光景が見られた。
『心を伝える 奄美の伝統料理』(泉和子さん著)によると、奄美の七草の節句は、「7歳までは神さまの子ども」という言い伝えがあることから、数え年7歳になった子どもが、親戚や知人など7軒の家々を回って七草粥をもらいお祝いをする日と紹介。いただいたナンカンジョセは家族で食べて力をもらい、「子どもが大勢の皆さん方のご加護によって、無事育ちますようにという願いが込められています」。
奄美市名瀬の川元康生さん(37)、しおりさん(37)の長男、詩童=しどう=くん(6)は、芦花部に住む詩童くんの祖父のいとこにあたる盛和代さんの家を家族4人で訪問。詩童くんは祖母たちが1カ月ほどかけて仕立てた祖父譲りの大島紬に身を包み、七草の節句の訪問ということで和代さんから七草粥とお祝いがお盆で手渡された。
詩童くんは七草粥を受け取り、和代さんにお辞儀して感謝。昆虫が大好きな詩童くんは「春から小学生になる。学校にどんな虫がいるか楽しみ」と小学校生活に期待を寄せた。
和代さんは、七草粥で祝福できたことを喜び「元気に成長してほしい」と話した。母親のしおりさんは、「七草粥をもらう日を迎えて、感慨深い。元気にまっすぐ育ってもらいたい」と感想を述べた。