介護予防テーマに奄美市講演会

岡山県津山市から講師を招き、同市で広く取り組まれる「こけない講座」の活動事例が紹介され、地域づくりへの効果なども示された

住民同士の見守りにも

 

体操効果広がり示し推奨

 

 介護予防をテーマにした講演会「元気なうちから始める介護予防」(奄美市主催)が10日、同市名瀬のAⅰAⅰひろばであった。約160人が参加。岡山県津山市職員で作業療法士の安本勝博さんが講師を務め、同市のこけないからだ講座(いきいき百歳体操)の活動を紹介。健康づくりにとどまらず、定期的に集まり一緒に取り組むことで、住民同士の見守りにつながっているなど地域づくりへの効果も示され、各地域での取り組みを推奨した。

 安本さんは、運動機能に不安を覚える人などから年間200件ほどの相談を受け、入浴や就寝場所などでの事故防止のための、環境改善について助言等の活動。また、厚生労働省の「地域づくりによる介護予防推進事業広域アドバイザー」などを歴任している。

 健康意識に関する調査を一部紹介。「自分は健康・元気だなあ」と感じる人の特徴として▽自分で「やる」ことがたくさんある人▽家族やご近所とうまくお付き合いができる人(支えがある)▽趣味を持っている人▽よく外出をする人―などを挙げたほか、WHOの定義も参考に「健康とは、からだとこころと、周りの人との関わりがよい状態」と説明した。

 同事業の一環で、津山市で取り組まれている「こけないからだ講座」の事例を紹介。10年以上を経過し、現在は201地区で実施され、単に体操だけでなく、茶和会、食事会、作品づくりなど幅広い活動に展開、「人と話し認知症やうつの予防だけでなく、見守ってもらえる安心感にもつながっている」などと長く市民が活動を続けている理由を語った。

 体操は0㌔~1・3㌔までの調節可能なおもりを使用し、腕や足に付けて水平に上げたりする運動で、筋力の維持につながっている。杖をついて歩いていた人が、実際に週1回(30分)3か月間取り組み、使わないで歩けるようになった映像も流された。

 安本さんは、同講座に取り組んだ人たちの健康増進、さらには地域にもたらされた効果を示し「年を重ねても目標を持ち、やる気を持って活動すれば良くなる。顔見知りの人たちとやることで安心してできる。皆さんも地域でやってみてほしい」などと呼びかけた。