ケナガネズミ2匹の死がい

ネコに襲われたと見られる個体(挿入写真)を含めケナガネズミ2匹の死がいが(提供写真)=11日朝、徳之島町手々の林道

ネコの噛み傷?

 

徳之島北部林道、関係者に衝撃

 

 【徳之島】11日午前10時ごろ、徳之島北部の徳之島町手々―天城町与名間の林道で、ノネコ対策用のカメラ点検中のNPO法人の関係者が、国指定天然記念物のケナガネズミ2匹の死がいを相次ぎ発見。うち1体には、ネコに噛まれたと見られる傷痕があり、関係者に衝撃を与えている。

 発見したのはNPO法人徳之島虹の会メンバーの飯田克己さんと政武文さん。環境省からの受託事業(2017年度徳之島の生態系回復に向けたノネコ対策業務)で、各林道入口に設置しているノネコ監視用・自動撮影カメラの点検巡回中(週1回)のこと。ちなみに、ネコが写っていた場合は直ちに捕獲わなを設置。一時収容施設(天城町「ニャンダーランド」)に搬入している。

 2匹はいずれも成獣と見られ、同林道の手々側ゲートの手前約30㍍付近で、約5㍍間隔で確認。1体は胴体の毛皮のみが残存し、もう1体は、首から前足付近にかけて、噛み傷らしい痕があり、ネコに襲われた可能性が大きい。死後硬直が進んでないため前夜から同日朝に襲われた可能性が。環境省徳之島自然保護官事務所(天城町役場内)が回収した。

 事態を重視した徳之島虹の会の美延睦美事務局長(54)は「アマミノクロウサギの目撃情報が増えている朗報の半面、昨秋ごろからノネコの目撃情報やカメラに写る回数が増加傾向に。被害を危惧していた最中に、2匹同時とは残念」。ネコ飼養条例の順守、ノネコの発生源を抑えるノラネコ対策継続の必要性もあらためて強調。

 徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官(27)も、環境省サイドのみのノネコ対策にとどまらず、3町行政や地域住民が一体となったTNR(ノラネコなどの不妊去勢事業)を含む取り組み継続の必要性もあらためて挙げた。