第3回奄美保健医療地域医療構想調整会議が開かれた
第3回奄美保健医療地域医療構想調整会議(議長・向井奉文大島郡医師会会長、委員26人)は10日、奄美市名瀬の県大島支庁であった。県地域医療構想を基に、奄美医療圏での課題解決に向けて意見交換。同構想の実現を目指し、介護施設、在宅医療等の提供体制整備推進に関連した数値目標などが示され、自治体、関係機関同士の連携深化の認識を共有した。
昨年8月に各病院開設者等が国からの依頼を受け、県地域医療構想を踏まえて、11月に策定した「県立大島病院公的医療機関等2025プラン」の概要を説明し、今後持つべき病床機能として、回復期および慢性期を担う地域の医療機関や訪問介護、介護施設などとの連携を図ることなどを確認。
また、奄美医療圏の総人口の減少から、今後の医療需要が見込めないとして、現在の休床(50床)について廃止を検討していることも報告。今後協議を重ね、他の医療機関との役割分担、連携体制を含め、構想区域全体の医療提供体制との整合を図っていくとした。
地域医療構想の実現に向け、介護施設や在宅医療体制の整備と病床機能の分化・連携も推進していくことなどを盛り込んだ方針が昨年6月に閣議決定。医療機能の分化・連携が進むことで、現在療養病床で入院している患者のうち、一定数は在宅医療等で対応するものと推計。それを踏まえた追加的な介護施設、在宅医療等の需要を約30万人に見込んでいる。
こうした需要の増大に対応するための提供体制の構築に向け、県各市町村、関係団体は、医療計画や介護保険事業(支援)の一体的な作成、計画の整合性確保などが求められる。20年における奄美保健医療圏の追加的需要は1日あたり、200・68人。うち介護保険施設対応分が33・00人、在宅医療対応(訪問診察)分は75・30人(うち居宅介護サービス12・00人)とし、第7次保健医療計画(素案)における、在宅医療に関する数値(案)としては、「訪問診察を実施している医療機関割合」(20年度達成)を35・7%(15年度の値=30・7%)、「訪問看護に取り組む訪問看護ステーション利用実人員」(同)を11・7人(同=11・1人)とすることなどが示された。