色鮮やかなナリムチが店頭に並べられた
家内安全、無病息災祈る
名瀬の商店 買い求める人の姿
小正月(1月15日)の前日にあたる14日は「ナリムチ(餅花)」―。奄美市名瀬の商店などでは色鮮やかに彩られたナリムチ飾りが店頭に並べられ、朝早くから人の列。家庭用やお供え用として買い求める人の姿が多く見られた。
ナリムチは北大島や徳之島などで行われる地域の伝統行事の一つで、稲の豊作や家内安全、無病息災などを祈願するもの。ブブ木(リュウキュウエノキ)に4色(白、赤、黄、緑)に着色した餅を、花に見立てて細工。床の間や仏壇、墓前などに飾る。
ブブ木は、切れば切るほど枝を伸ばすことから「繁栄」や、鈴生りにつけた餅のように「お金がたくさん成るように」などの願いが込められており、薩摩藩から伝わった風習だとされている。
同市名瀬井根町の中原商店(中原一成代表)では、台座付きや飾木など4種類の完成品を販売。10日ごろから売り出し、13日は朝から多くの人が訪れ、ピークを迎えた。
飲食店を営む同市在住・60代の女性は「商売繁盛を願って毎年、神棚などに供えている。今年もいい年を送ることができれば」と話した。