龍郷町学校保健研究大会

教職員や保護者を前に講演をする戸髙さん

子どものネット被害防止へ

 

「情報端末教育は家族で」

 

 龍郷町学校保健会(事務局・龍南中学校、福水浩一校長)は12日、「2017年度龍郷町学校保健研究大会」を同町生涯学習センターりゅうがく館で行った。同大会では、サイバー犯罪やネットいじめの調査研究に取り組むNPO法人ネットポリス鹿児島代表の戸髙成人さんを招き「情報化社会におけるネグレクト現象化~なぜ子どもたちは正しく情報端末を使えないのか~」をテーマに記念講演。会場に集まった教職員や保護者ら約100人は、子どもをネット犯罪の被害から守るため、保護者が果たすべき役割について耳を傾けた。

 同会は、子どもたちの心と体の教育にあたり、学校や家庭、地域社会の連携を図るための中核的な組織として同町の小中学校が中心となって運営。六つの努力点を焦点に、アイデアを出し合いながら、子どもたちの健全な成長のサポートを目的に活動が続けられている。

 大会は、スマートフォン所持者の低年齢化に伴い、子どもたちを巻き込んだインターネットトラブルが急増する中、アドバイザーとして戸髙さんに講演を依頼。子どもたちとネット社会のあり方やそのひずみ、保護者らは子どもたちとどう接していくべきなのかなどの話題を中心に会が進められた。

 講演で戸髙さんは、「情報端末の教育は学校ではなく家庭でやること」とした上で、子どもがネットを通じ事件に巻き込まれていくケースや事例を交え、保護者らが電子機器の進化についていけていない現在の状況に、厳しく警鐘を鳴らした。

 ネット社会では、利用者としての理解・知識や自己管理能力、現状の認識不足など様々な課題が山積。利用者が身に付けるべきリテラシーとして▽違法・有害コンテンツへの対処▽ネット上の適切なコミュニケーション▽プライバシー保護やセキュリティ対策―などを挙げた。

 戸髙さんは「ネットや携帯電話は私たちの生活になくてはならないものになりつつある。今、ネット犯罪などから子どもの人生を守るための〝親力〟が試されている。ただ買い与えるだけでなく、保護者が自ら正しい知識を身につけ、子どもたちにしっかり教えてほしい」とアドバイスを送った。

 この後会は、各校の取り組み発表に対する、質疑応答も行われた。