愛加那のギハを見せてラジオに出演した牧さん
NHKは16日、龍郷町浦の生涯学習センターりゅうがく館駐車場でラジオ番組「旅ラジ!」の公開生放送を行った。15日の大和村に続いて地元住民が参加し、奄美の魅力を全国に向け発信した。番組はネットラジオで、一週間は聴くことが可能という。
同番組は放送開始80年を記念して、2005年に開始。全国47都道府県をラジオイベントカー「90ちゃん号」で巡り、その土地それぞれのふるさとの魅力を全国に紹介している。
全国13周目となる旅で、今週は鹿児島県が舞台。前半が大和村と龍郷町で、後半は18日から鹿児島市と出水市を巡り番組を放送する。
NHK鹿児島放送局の押尾駿吾アナウンサーの司会で進行。地元から5人が出演し、西郷隆盛のエピソードや大相撲の大奄美関の話題などが語られた。
町企画観光課の小松大志さんは、町の概要や特産品の大島紬などを紹介。奄美市笠利総合支所の永井信也さんは、赤木名中で大奄美関を指導したエピソードを披露した。
円小学校の徳永順美校長と円集落の村田貞雄区長は、50年以上続いている夕読み放送の取り組みを発信。西郷隆盛の妻・愛加那の遠縁にあたる牧雅彦さんは、西郷隆盛・愛加那に関する話を語った。
牧さんは自身が保管する西郷が愛加那に贈った銀製のギハ(かんざし)を、木箱から取り出し押尾アナウンサーや観覧者に披露。ギハを所有することになった経緯を説明し、「愛加那さんの妹の娘が、自分のひいばあさんの龍アグリにあたる。愛加那さんが亡くなる3年ほど前に、女子に代々受け継いでもらいたいとギハを譲られた」と話した。
関係者によると、奄美からの放送は大河ドラマの年を見越して計画。初めて奄美大島から放送した押尾アナウンサーは、「地域の文化が産業になっていると感じた。どの料理もおいしくて、油うどんが特においしかった」と語った。
同番組は、パソコンやスマートフォンなどでも聴くことができる。「NHKラジオらじる★らじる」アプリの聴き逃しサービスで、ノイズの少ない音で放送後から公開期間(一週間)利用料無料で楽しめるという。