2頭以上の個体が一斉に海面に姿を現すこともあり、ツアー客らの視線を釘付けにした
来遊シーズンを迎えたザトウクジラのホエールウォッチング&スイムのツアーが今シーズンも好評を博している。奄美クジラ・イルカ協会(7事業者)では、ツアーとともに出現頭数などの調査も行っており、18日のツアーでは8~13㍍程度のザトウクジラ2群5頭を確認。クジラとともに泳ぐホエールスイムを行う人もいた。
ザトウクジラは冬季に繁殖のために奄美地方を通過する。1月ごろには南下する個体と、3月ごろには北上する個体との遭遇率が高く、両者が混在する2月ごろが一番の見頃だという。
今シーズンは12月9日の調査開始から、陸上からの目視や地元漁師の情報を含め、18日午前までに34群58頭を確認。昨シーズンの発見個体は683頭で、年々増えているという。また、ツアー利用者も増加傾向にあり、昨シーズンで1588人(前年差619人増)だった。16年から本格的にスタートしたホエールスイムも人気があり、17年は607人が体験した。
この日はツアー客7人(うちホエールスイム2人)が乗船。午前9時に奄美市名瀬小湊漁港を出発し、同市笠利町土盛海岸沖約2㌔の海域でザトウクジラ2群を確認。呼吸時に見られる「ブロー」や、胸ビレで海面を叩く「ペックスラップ」などに船内のツアー客の視線は釘付けに。海面に大きくジャンプをする「ブリーチング」の迫力に息を飲むツアー利用者の姿が見られた。
この日、横浜市から訪れた久保田ルミ子さん(50)は「インターネットで調べるとシーズン中ということだったので参加した。とても近くで見ることができて良かった」と喜んだ。
同協会の興克樹会長は「クジラの大きさだけでなく、呼吸音やしぶきも楽しんでほしい。奄美では1船につき、1群を観察するため、ホエールスイムで水中での様子をじっくりと見ることができる」とし、「ツアー参加者は年々増加しており、今シーズンも2千人の参加を見込んでいる」と語った。
同協会加盟事業所によるホエールウォッチングツアーは6日からすでに始まっており、3月末ごろ(出現状況によっては4月上旬)までを予定しているという。