事前備えで自主防災組織

防災講演や災害時の対応を模擬体験するワークショップなどが行われた

講話や演習 県、奄美市で研修会

 

 県危機管理防災課は21日、奄美市名瀬末広町のAiAiひろばで自主防災組織活性化研修会を開いた。一般や消防団など約50人が参加し、講演やワークショップを通して自主防災活動の理解を深めた。

 開会で同課の玉利雅昭課長があいさつ。「鹿児島は自然災害の多い県。奄美は台風が毎年襲来し、2010年は豪雨災害も発生している。研修会の参加者は地域に帰り、自主防災組織の中心となってもらいたい」と激励した。

 続いて県地域防災アドバイザーの中山芳一氏が「自主防災組織とその活動について」と題して講演。「被害を最小限にするために、事前の備えとして自主防災組織が必要」と語った。

 防災演習では5人ずつのグループに分かれ、県地域防災アドバイザー村野剛氏の指導でクロスロードのワークショップを実施。参加者は講師が出す質問「大津波警報が出て避難しなければならない時に、隣に住む94歳の住民に避難を呼び掛けるか?」などに、「はい」か「いいえ」のカードで回答してグループ内で意見を交わした。

 同市笠利町の外金久地区防災計画策定について、笠利総合支所の盛島洋久支所長が講演。自主防災組織が1997年に発足したがその後活動が形骸化し、2015年に県の地域防災力ボトムアップ事業を活用して地区防災計画を策定した経緯を説明した。

 村野氏は地区防災計画について、▽地区の共通認識を醸成▽防犯、福祉などの付随的効果を期待▽地域力の底上げにつながる―など策定の効果を指摘。「自分の安全管理、家族の安全管理が自助と共助にもなる。防災活動の基本は平時にある。自主防災の意識を高めてもらいたい」とまとめた。