喜界町でも漂着確認

喜界町でも漂着確認

油状漂着物が奄美大島各地の海岸に漂着し、岩などに付着した(2日午後1時ごろ、龍郷町嘉渡)

油状漂着物 状況調査継続を決定

 1日に奄美大島の広い範囲の海岸で確認された油状漂着物について、奄美海上保安部などは2日も調査を続けた。また同日、県大島支庁や各市町村担当者などによる会議が開かれ、漂着物の増加が確認されたとして、すぐには防除を行わず、状況調査を継続することを決めた。

 同保安部や同保安部古仁屋海上保安署などはこの日、同島北部、喜界島、加計呂麻島、瀬戸内町東側の海浜調査を実施。また、第三管区海上保安本部横浜機動防除基地の機動防除隊による奄美市名瀬の朝仁海岸での現場調査を実施。今後は採取したサンプルの分析などを行い、防除計画を検討するという。

 同日、奄美市名瀬の県大島支庁で開かれた同会議には同支庁、各市町村担当者のほか、警察、消防などの関係者が参加。1日までに分かっていた範囲のほか、喜界町早町などでも漂着物が確認されたと判明した。

 同支庁が実施した各水産関係者への聞き取り結果によると、2日正午現在、群島内5市町村で漂着が確認されているが被害の情報はないという。また、1月15日、同17日、同26日に実施した管内漁協への聞き取り調査では漂着・被害ともに確認されなかった。

 同日までに各市町村などが行った調査により、漂着物が1日より増加していることも判明。この状況で防除作業を行ったとしてもさらなる漂着が懸念されるため、今後も状況調査を行うことを決めた。同会議は週末の調査を挟み5日に再び開催される予定で、情報共有や対応検討を行うとしている。

 第十管区海上保安本部によると、1月6日に貨物船と衝突し、14日に奄美大島西方沖で沈没したコンデンセートを積んでいたタンカーから油の流出は確認されているという。同保安本部は14日の沈没直後から浮遊している油の防除を実施しており、範囲は縮小していると説明。今回漂着した油状物と同船の関連については「調査途中であり、今はなんとも言えない」とコメントを控えている。

 名瀬漁協の池山育太=いくひろ=参事は「数十年前に同様の被害があったと聞いたことはあるが、ここ数年は聞いたことがない。もし重油などが流出したのであれば、魚やサンゴに付着し死滅するなどの影響も考えられる」と語った。