がん診療緩和ケア研修会

がん診療緩和ケア研修会

緩和ケア研修にはがん治療に携わる医師や看護師などが参加した

県立大島病院 住み慣れた地域で心豊かな生活を

 奄美市名瀬の県立大島病院(眞田純一院長)は3日、がん治療の初期段階からの適切な緩和ケアを目的とした「2017年度がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」を同院講堂で行った。同研修には奄美群島医療圏内のがん治療に携わる医師や薬剤師、理学療法士など21人が参加。受講者らは、患者が住み慣れた地域で心豊かな生活を送るための、専門知識やケアプログラムなどを学んだ。

 同院は、厚生労働省「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、これまで緩和ケアの発信拠点として、意見交換会や情報発信、データ収集などを進めてきた。同研修は、がん患者らの心身の苦痛を和らげ、穏やかな日常を過ごしてもらうための、地域体制強化や人材育成を目的に2日間(3・4日)・750分の講義・演習などが行われた。

 初日のこの日は、研修要点である「緩和ケア概論」から講義がスタート。同院・石神純也副院長、麻酔科・大木浩医師が登壇し、がん医療の現状や目標、緩和ケア従事者の役割などについて述べた。

 大木医師は、緩和ケアの要点として、①苦痛を和らげる②患者の悩みに気づく③さまざまな体制の提供―3点を挙げ説明。時期・場所を問わず、切れ目のない緩和ケアの提供やその重要性を指摘した。

 続く石神副院長は、患者の〝痛み〟に対する調査や評価、心のケアについて指導。事例をもとに受講者らとのセッションを繰り返し、チーム治療の重要さや患者の不安の除去、心の拠り所の大切さなどを訴えた。

 この後は休憩を挟み、がん性疼痛=とうつう=の治療法や処方、末期患者のリハビリについて同院オリジナルプログラムなども実施。受講者らは終始、メモ片手に講師の指導や言葉に熱心に耳を傾けた。

 なお、きょう4日も講義や技術指導などの研修を行い、全日程終了者には修了証書が手渡される。