奄美トレイル・伊仙町でも開通

約50人が参加して「世界自然遺産奄美トレイル」伊仙町コースの開通式=10日、同町犬田布

塩田跡の不思議な光景にくびを傾げる参加者たち(ミヤトバル海岸)

不思議な光景を体感
豊かな自然や歴史、文化ふれる

 【徳之島】世界自然遺産登録を見すえて県が選定した長距離遊歩道「奄美トレイル」の開通式が10日、伊仙町でもあった。3歳児から80代まで約50人が参加。同町内の3コースのうち「木之香・犬田布・崎原コース」の一部を体験。洞窟を抜けると不思議な光景が広がるミヤトバル海岸の塩田跡など、豊かな自然や歴史、文化にふれた。

 森林や里山、海岸沿い、集落内に古くからある道を観光客などに歩いてもらうことで、奄美群島の自然や人・暮らし・文化とのふれあいの場の創出などを目指す「世界自然遺産奄美トレイル」。県は2016年度から、地元自治体や住民の意見も参考にコース選定に着手。第1弾で設定を終えた奄美市住用は先月28日、和泊・知名両町は今月2日にそれぞれ開通式を行っていた。

 伊仙町の開通式は犬田布岬公園駐車場であった。県の古薗宏明環境林務部長はあいさつで「今年夏の世界自然遺産登録に向けては今が正念場。遺産登録区域外の他の島々も含め、トレイルコースで奄美の自然と文化を楽しんでいただく。地元の皆さんに愛され、多くの方々をお迎えするコースに」と期待。大久保明町長も「この町をしっかりと歩いて歴史、文化、風土を感じて欲しい」などとアピールした。

 参加者たちは「木之香・犬田布・崎原コース」(全長13・3㌔)の一部、犬田布岬―木之香―阿権まで約9㌔間を歩いた。洞窟を抜けるとサンゴ礁岩盤の〝平原〟が現れるミヤトバル海岸の塩田跡の不思議な光景に、参加者たちは「先人たちが手作業で造成したのか、それとも自然の造作か」と、悠久の歴史ロマンにも浸っていた。