14日朝の冷え込みにより奄美大島北部のサトウキビ畑では降霜が確認された
霜注意報が出された14日朝、奄美地方北部では最低気温が4度台まで下がり、今月9日に続きサトウキビ畑で降霜が確認された。厳しい冷え込みの一方で晴天に恵まれたため日中は気温が上昇したが、キビの品質面では糖度の回復がみられるところもある。
最低気温が4度台となったのは、喜界町(4・2度)と奄美市笠利町(4・4度)。奄美大島北部では収穫後のキビのハカマ(枯葉)の表面が氷の結晶である霜で白っぽくなっているのが見られた。製糖関係者によると種子島ではキビ生産で霜害(枯死する場合も)が問題になるが、「奄美で確認されているのはハカマであり、キビの中(茎部分)まで霜が入り込まなければ問題ない」。
晴れた日の早朝の放射冷却は、そのまま晴天が続き気温が上昇することで寒暖の差が大きくなり、キビの品質を向上させる可能性がある。喜界島の生和糖業では搬入されているキビの糖度の低迷が続いているが、2月に入り徐々に回復しつつあるという。
喜界町農業振興課によると、買い入れ原料の平均糖度は今月13日の日計で12・78度となった。ただ累計では11・61度とまだ12度に届いておらず、基準糖度帯(13・1~14・3度)と差がある。「喜界島は昨年秋に襲来した台風でサトウキビは深刻な潮風害などを受け、収穫期に入ってからは曇天や雨による日照不足が品質に影響しているが、2月3日以降の搬入キビは糖度の上昇がみられる。晴天が続けば回復していくのではないか」(町農業振興課)。
奄美市笠利町にある富国製糖に搬入されているキビの糖度は高い。13日の日計は13・87度まで上昇しており、累計でも13・17度と基準糖度帯内にある。「しとしと降り続く雨、さらに冬場特有の強風が続くと葉がやられ、糖度が上がらない。晴天が続いてほしい。最低と最高の気温差がほとんどない日もあり、こうした気象条件によって今期は糖度の変動が激しく、なかなか安定しない」(富国製糖)。今後も気象条件がキビの品質を左右しそう。