龍郷町でも漂着油除去

火ばさみで油の付着した漂着物を回収する住民たち(円海岸)

荒波地区、住民ら参加
九電からも回収用ドラム缶提供

 龍郷町は14日、同町の漂着油が確認されている荒波地区(秋名~円集落)の海岸で油の除去作業を行った。住民や役場職員など約80人が参加し、海岸部の漂着油除去に汗を流した。

 今月1日以降、奄美群島の広範囲の海岸で油の漂着を確認。同町でも秋名~安木屋場集落と、赤尾木集落の海岸部に漂着油が発見されていた。

 県の回収マニュアルが7日に策定され、町では8日に秋名海岸などで試験的に回収を実施。9日以降に県から油回収用のドラム缶の配布を受け、漂着油が確認された海岸に設置して本格的な作業に対応。町当局は天候や潮の流れから判断し、荒波地区の回収から着手することを計画していた。

 秋名、幾里、嘉渡、円の4集落の海岸には同日、住民約40人と役場職員約40人の合わせて80人程が油除去作業に参加。参加者は、長靴にビニール袋のカバーをして火ばさみや熊手、軍手を装備して、砂や岩石などに付着した漂着油や、油まみれの漂着物などを約3時間の作業で200㍑入りドラム缶28本分と10立方㍍の粗大ゴミなどを回収した。

 特に円集落の海岸では、岩石や漂着物に油が付着していて参加者が除去作業に苦戦している姿が見られた。試験回収を行った秋名海岸では、主に漂着油は砂浜にあり軍手のみでの除去作業も行われた。

 町総務課は、九州電力からも油回収用ドラム缶50缶の提供があったと説明。「きょうから本格回収を開始。来週以降も安木屋場集落、赤尾木集落での油除去作業を予定している」と話した。

 秋名海岸で作業に参加した幾里の龍宮省三さんは、「みんなの協力で油が除去されるのはありがたい。作業がどれくらい続くのかが、少し不安に感じる」と述べた。