ソテツについて学んだことを発表する児童ら=和泊町国頭字=
【沖永良部】第10回ソテツ感謝祭(大蓑花水利用組合主催)が15日、和泊町国頭字内・伊池(イーダミチ)ソテツ林歌碑前であった。同町立国頭小学校(森田郁朗校長)の3年生8人が、ソテツについて学んだことを発表し「ソテツが国頭の人の命を救った」「ソテツをいろいろなものに活用していた昔の人はすごい」などと述べた。
同組合では、飢饉や戦後の食糧難の時代に島民の生活を支えたソテツを後世に残そうと、毎年地元の子ども達を招き感謝祭を開いている。
今回、「ソテツ大発見」と題して同小3年の児童が▽ソテツの成長▽ソテツの活用法▽ソテツの毒の抜き方▽ソテツを使った料理―の4点について体験実習を交えながら1年を通して学習してきた。
感謝祭には、地域のお年寄りや保護者など約20人が集まった。子ども達は2人1組で写真や手書きのイラストを使って発表。「ソテツの実は植えてから2年ぐらいで芽が出る」「枯れた葉は、肥料や焚き付けとして使った」「(毒を抜くために)実の中身をつぶしたものを水に浸した後、1週間ほど干した」などと説明した。
報告を聞いたお年寄りらは「じいちゃん達が苦労してきたことを分かってくれてありがとう」「人は、食べるものがないと何でも食べる。今はおいしい食べ物がたくさんあるので、米粒など残さないで」と感想を伝えた。
最後に、ソテツの実で作ったヤラブケー(お粥)とタチガン(ようかん)を全員で試食した。
同小3年の今井響さん(9)は「両方とも美味しかった。昔の人と同じように私もソテツを大切にしていきたい」。
同池のソテツを管理する佐々木鐵雄さん(70)は「素晴らしい発表だった。中学、高校でもソテツを勉強してほしい。実を収穫したり、割ったりするのは大変だったかもしれないが、子ども達が体験してくれてうれしかった」と話した。