ボランティア漂着油除去

熱心に油除去作業を行う親子連れ


ビニールシートに集められて一時保管される漂着油など(知名瀬海岸)

約2千人参加奄美市内28カ所海岸で

 奄美市は18日、市内で漂着油が確認されている海岸部28カ所で油の除去作業を行った。ボランティアの市民や市役所職員など約1840人が参加し、海岸部の漂着油除去に取り組んだ。

 今月1日以降、奄美群島の広範囲の海岸で油の漂着を確認。県が回収マニュアルを作成し、漂着が見られる海岸部には油回収用のドラム缶が設置され、一部の海岸では回収作業が始まっていた。

 14日は環境省の渡嘉敷奈緒美副大臣、15日には三反園訓知事が奄美大島入りして、漂着油の現地視察を実施。同市は第3日曜日の18日を市民参加の清掃作業日としていることから、市内28カ所の海岸で漂着油除去のボランティアを呼び掛けていた。

 同日朝9時から、各海岸部で油除去の作業を開始。同市名瀬知名瀬海岸には、市民や環境省職員、エコツアーガイドなどが、波打ち際に打ち上げられた油の付いた漂着物や、砂に埋まっている漂着油などを、火ばさみや軍手などで回収して、ビニール袋に詰め護岸近くのビニールシートに集めた。

 市総務課危機管理室によると、約3時間の作業で約2900袋43・5㌧の油を除去。また朝山毅市長が、根瀬部海岸と知名瀬海岸などを訪れて作業する市民に、ねぎらいの声をかけたり漂着油の現状などを聞く場面が見られた。

 知名瀬で朝山市長は、多数の市民がボランティアに参加したことに謝意を表明。「世界自然遺産登録に向け、市民の環境美化の意識の表れ。国や県と連携を図りながら、自然と海岸を守っていき啓発普及に努めたい」と話した。

 漂着油については、「落ち着いてきているのではないか。状況を見てタイムリーにやっていければ」との見解を示した。朝山市長は「観光への風評被害がないように、しっかり清掃美化、油除去に努めていきたい」と語った。