老若男女で「節田マンカイ」

老若男女で「節田マンカイ」

老若男女が「節田マンカイ」を楽しんだ

奄美市笠利町 旧正月の伝統芸能
唄掛け・手踊り楽しむ

旧正月の1月1日に当たる16日の夜、奄美市笠利町の節田集落(朝郁夫区長、220世帯)で同集落の伝統芸能「節田マンカイ」が行われた。会場となった節田生活館には、集落住民や観光客など老若男女100人超が参加。向かい合って並んだ男女らは、唄掛けや手踊りを楽しみ、集落を温かな笑顔で包んだ。

節田マンカイは、男女の出会いの場として昭和の初期ごろまで笠利地区の各集落で行われていた唄遊びで、現在は節田集落のみが継承。2008年には県指定の無形民俗文化財に指定されている。

この日は午後7時過ぎ、住民や観光客らが続々と会場に詰めかけ、同8時ごろ節田マンカイが開始。お互いに向き合った男女が「正月マンカイ」などの掛け合い唄で手踊りを舞い、三味線やチヂンに合わせて手と手を合せた。

「昔は男女が堂々と手が触れ合えたのはこの唄遊びだけ」という60代男性も、声を張り上げ貫禄の踊り。交互に唄を掛け合いながら終盤に向けて徐々に高まるにぎやかな演奏が、集落の冬の夜を熱く盛り上げた。

踊りの後は、婦人会が腕によりをかけた正月料理「アザンヤセ」(アザミと豚骨の煮物)が振る舞われ舌鼓。一般客や観光客も交えて親睦を深め、話や宴に花を咲かせた。

東京から来島中に知人に誘われ参加したという木村万梨絵さん(21)は「若い人も高齢者も一緒になって唄っているのに驚いた。方言(島口)での唄がかわいく感じた」と喜び、朝区長(63)は「最近は集落の若い人も増え活気が出ている。一般客も楽しむことができたのでは」と笑顔を見せた。