大島高校1年の積風我さん=写真=が1月28日、早稲田大学(東京都新宿区)で開かれた「全国高等学校ビブリオバトル2017」で、惜しくも最優秀賞は逃したものの、鹿児島県で初となる優秀賞に輝いた。積さんは「本当に本が好きなので、緊張はしたが楽しかった」と振り返った。
ビブリオバトルとは、発表者が広く読んでほしい本の魅力を紹介する書評合戦で、5分間のプレゼンテーションと2分間の質疑でバトルを行い、観客の挙手で審査する。大会には各県の勝者43人が参加し、積さんは、高校生5人の青春群像を描いた、住野よる著『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮社)で予選を勝ち上がり、7人で争う決勝に挑んだ。
一見、謙虚で物腰やわらかい口調で語る積さんだが、ステージに上がると独自の表現を交え、ユーモアのある言葉で聴衆を圧倒する。積さんは決勝に挑むに当たり「話の始めが肝心。みんなの心をつかめれば」と策を練って挑んだが、おしくもチャンピオン本には届かなかった。
積さんがビブリオバトルを始めたのは作年7月。本好きが高じて参加した校内のビブリオバトルで優勝すると、県大会出場を決意。この後は、友人や家族、教職員の前で練習を繰り返し、8月の県大会で優勝し、全国大会への切符を獲得した。
積さんは決勝を振り返り「予選を勝てると思ってなかったので吹っ切れた。レベルの差も感じたが悔いなく戦うことができた」と笑顔を見せた。遠征に同伴した内田まゆみ司書教諭は「プレゼンテーションも良かったが、質疑の返しがうまかった。いい意味で調子に乗ることができた」と喜んだ。
今後について積さんは「来年以降も優勝目指して頑張りたい。自分を支えてくれた魅力ある本を少しでも多くの人に紹介し、みなさんの最高の一冊になるよう手助けしたい」と力強く抱負を語った。