慎重に原図を選定する製造業者ら
製造業者らが製品化に向けて審査
全国から132点応募
第30回「本場奄美大島紬」原図コンテスト(公益財団法人奄美群島地域産業振興基金協会)が27日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬会館で開かれた。同コンテストは、一般から新しい感性のデザインを公募し、それを製造業者らが反物として仕上げるもの。製造業者らは、全国から応募のあった132点の作品から構図を審査し、それぞれが選んだ原図の製品化に向けて取り組む。
同コンテストは、需要拡大に向けて、消費者ニーズに対応するための新感覚デザインを導入し、産地をリードする商品づくりを目指すもの。
審査に訪れた製造業者らは、反物や着物の仕上がりを想定しながら原図デザインを丹念に選定。応募作品については「工程を考えてしっかりデザインされているが、仕上げの枠を超えた奇抜な構図も見てみたかった」などの声も聞かれた。
基本的には、原図デザインを見て製品化に取り組むものの、工程などの兼ね合いで変更する場合もあるという。製品化の際には、原図の忠実な再現性も審査対象となるため、「切り返しはここで」「(複雑な構図に)採算性がどうか」など、それぞれが慎重に原図を指定した。
製造業者が選んだ原図デザインは、12月末ごろまでに反物として仕上げ、来年2月ごろに予定している「翔けあまみ」で入賞者などを発表。県知事賞、奄美市長賞、同協会理事長賞などが選ばれる。
なお原図の一般公開は、きょう28日(午前10時~午後4時)まで、同館6階催事場で行われている。